お祝いやお見舞い、お悔やみの場面で贈り物を用意するとき、「これを贈っても大丈夫かな?」と不安になったことはありませんか。実は日本の贈答文化には、シーンによって「贈ってはいけないもの」が存在します。知らずにタブーを犯してしまうと、相手に不快な思いをさせたり、失礼な印象を与えてしまうことも。
この記事では、結婚祝い・新築祝い・お見舞い・お悔やみなど、ギフトシーン別の贈り物のタブーを網羅的にまとめました。贈り物選びで失敗しないために、ぜひ参考にしてみてください。

贈り物のタブーが存在する理由
日本の贈り物のタブーは、その多くが語呂合わせや昔からの風習・縁起担ぎに由来しています。たとえば「くし(櫛)」は「苦」と「死」を連想させるためタブーとされるなど、言葉の響きから縁起が悪いとされるものが多いです。
もちろん、現代ではこうしたタブーをあまり気にしない方も増えています。しかし、特に年配の方やフォーマルな場面では今でも重視されることが多いため、基本的なマナーとして知っておくことが大切です。
結婚祝いのタブー
結婚祝いでは「別れ」「壊れる」「切れる」を連想させるものがタブーとされています。
- 刃物(包丁・ハサミ):「縁を切る」ことを連想させるためNG。ただし「未来を切り拓く」と解釈して贈る方も増えており、相手のリクエストがあれば問題ありません
- 割れ物(陶器・ガラス):「割れる=別れ」を連想。ただしペアのグラスや食器は結婚祝いの定番で、相手が希望すればOK
- ハンカチ:漢字で「手巾(てぎれ)」と書くため「手切れ=別れ」を連想
- 偶数個の贈り物:「割り切れる=別れ」。ただし「ペア(2個)」と「8(末広がり)」は例外
- 4・6・9の数字:「死」「無」「苦」を連想させるため避ける

新築祝い・引越し祝いのタブー
新築祝いでは「火」を連想させるものが最大のタブーです。
- ライター・灰皿・キャンドル:「火事」を連想させるため避ける
- 赤いもの:赤は「火」を連想させるため、赤い花や赤い雑貨はNGとされることがある
- ストーブ・ヒーター:火に関連する暖房器具も避けた方が無難
- 壁に穴を開けるもの:壁掛け時計や絵画など、壁に穴を開ける必要があるものは好みが分かれる
新築祝いで喜ばれやすいのは、タオルセット、観葉植物(鉢植え以外)、カタログギフトなどの実用的なアイテムです。
お見舞いのタブー
お見舞いは特にタブーが多いシーンなので、慎重に選ぶ必要があります。
- 鉢植えの花:「根付く=寝付く(長く患う)」を連想させるためNG。切り花を贈るのが基本
- シクラメン:「死」「苦」の音が含まれるため避ける
- 菊:葬儀・仏壇のイメージが強いため不適切
- 椿:花が首からポトリと落ちるため「首が落ちる」を連想
- 白い花のみの花束:お葬式を連想させるため避ける
- パジャマ・寝具:「長く寝込む」ことを連想させるため要注意
- 香りの強い花:病室では香りが気になる場合がある
お見舞いで喜ばれるもの
- 本や雑誌(入院中の暇つぶしに)
- 日持ちするお菓子(食事制限がない場合)
- テレビカードやプリペイドカード
- 明るい色合いの切り花やフラワーアレンジメント
長寿祝いのタブー
還暦・古希・喜寿・傘寿・米寿など、長寿のお祝いにもタブーがあります。
- 白いハンカチ:お葬式で亡くなった方に白い布をかけることを連想させるため縁起が悪い。またハンカチ自体が「手切れ=別れ」の意味も
- 老眼鏡・杖・補聴器:「老い」を連想させるため、本人のリクエストがない限り避ける
- お茶:弔事で使われるイメージが強いため、地域によってはタブーとされる(ただし最近はお茶好きの方に贈るのはOKという考えも広まっている)
- 櫛(くし):「苦」「死」の語呂合わせでNG

目上の方への贈り物のタブー
上司や先輩、取引先など目上の方への贈り物にも特有のタブーがあります。
- 靴・靴下・スリッパ:「踏みつける」ことを連想させるため目上の方にはNG
- 時計:「勤勉であれ」というメッセージに受け取られるため失礼とされる
- 筆記用具:「もっと勉強しなさい」という意味に取られることがある
- 鞄:「もっと働け」というメッセージに受け取られることがある
- 現金・商品券:「お金に困っている」と暗示しているように感じさせてしまうことがある
目上の方にはカタログギフト、グルメギフト、高品質なお酒やお菓子などが無難です。
弔事・お悔やみのタブー
- のし飾り付きの包装:のし飾りは慶事専用。弔事にはのしなしのかけ紙を使う
- 明るすぎる色の花:白やパステルカラーの花が基本。原色の花は避ける
- 肉・魚:殺生を連想させるため、仏教の考えから避けるのがマナー
- お酒:「お祝い」のイメージが強いため弔事には不向き
数字のタブー
贈り物の個数にもタブーがあります。特に意識したい数字を紹介します。
- 4:「死」を連想(全般的にNG)
- 9:「苦」を連想(全般的にNG)
- 6:「無(ろく)」を連想(結婚祝いでは特にNG)
- 偶数:「割り切れる=別れ」(結婚祝いではNG。ただし2と8は例外)
- 13:西洋の不吉な数字(外国人への贈り物では注意)
海外の贈り物タブー(知っておくと便利)
国際的なビジネスシーンやホームステイなどで、海外の方に贈り物をする機会もあるかもしれません。いくつか代表的なタブーを紹介します。
- 中国:時計(「送終=葬式を出す」の語呂合わせ)、傘(「散=別れ」)、梨(「離」)はNG
- 韓国:靴(「去る」を連想)、ハンカチ(「別れ」)
- イスラム圏:豚肉製品やアルコールは宗教上NG

タブーを気にしすぎないことも大切
ここまでさまざまなタブーを紹介しましたが、現代ではタブーの解釈も柔軟になってきています。相手が希望しているものであれば、タブーとされるものでも喜んで受け取ってもらえるケースは多いです。
大切なのは「相手への配慮」です。年配の方やフォーマルな場面ではタブーを意識し、気心の知れた友人同士ではあまり堅くなりすぎないという使い分けが理想的です。
迷ったときは、リンベル(ringbell.co.jp)のようなカタログギフトやTANP(tanp.jp)のギフト専門サイトを利用すると、シーンに合った適切なギフトを見つけやすくなります。

よくある質問(Q&A)
Q. タブーを知らずに贈ってしまった場合はどうすればいいですか?
A. 気づいた時点で「マナーに不慣れで申し訳ない」と一言伝えれば、相手も理解してくれることがほとんどです。悪意がないことが伝われば問題になることは少ないです。
Q. 相手がリクエストしたものがタブーに該当する場合は?
A. 相手自身が望んでいるなら、タブーを気にせず贈って問題ありません。タブーはあくまで「相手を不快にさせないための配慮」なので、相手が喜ぶならそれが正解です。
Q. タブーが気になるならどんなギフトが安全ですか?
A. カタログギフト、食品ギフト(日持ちするもの)、タオルセットなどが万能です。相手に選んでもらえるカタログギフトは、タブーを気にする必要がないため特におすすめです。
タブーの品でも贈れるケース
タブーとされる品であっても、以下のようなケースでは贈っても問題ありません。
- 相手本人がリクエストした場合:結婚祝いに包丁セットを希望されるケースなど。相手が望んでいるなら、語呂合わせのタブーよりも相手の希望を優先してOK
- 現代的な解釈を添える場合:包丁やハサミは「未来を切り拓く」、時計は「共に時を刻む」など、ポジティブな意味を込めて贈る方法もあります。メッセージカードにその想いを添えると丁寧です
- 親しい間柄の場合:気心の知れた友人同士なら、タブーを気にせず相手が本当に喜ぶものを贈る方が自然です
季節行事ごとの贈り物マナー
お中元(7月から8月)
お中元は日頃お世話になっている方への感謝を伝えるギフトです。ビール、ジュース、ゼリー、そうめんなど季節に合った涼しげな食品が定番です。のしは紅白5本の蝶結びで、表書きは「お中元」とします。
お歳暮(12月上旬から下旬)
お歳暮は一年の感謝を込めて贈るギフトです。ハム、お酒、お菓子、海産物などが人気です。お中元と同じく蝶結びの水引を使い、表書きは「お歳暮」とします。
お年賀(1月1日から1月7日)
新年の挨拶として持参するギフトです。お菓子やお酒が一般的で、表書きは「御年賀」とします。松の内(1月7日まで)に届けるのがマナーで、それを過ぎた場合は「寒中見舞い」として贈ります。


まとめ
贈り物のタブーは、語呂合わせや縁起担ぎに由来するものが多く、シーンごとに避けるべき品が異なります。結婚祝いの刃物、新築祝いの火を連想するもの、お見舞いの鉢植えなど、代表的なタブーを知っておくだけで贈り物の失敗を防ぐことができます。
ただし、現代ではタブーの解釈も柔軟になってきています。相手との関係性やシーンに応じて判断しつつ、基本的なマナーとしてこの記事の内容を頭の片隅に置いておくと安心です。大切な方への贈り物が、気持ちのこもった素敵なギフトになることを願っています。



