大切な方を亡くされた後、葬儀に参列してくださった方々へ贈る「香典返し」。悲しみの中で品物を選ぶのは大変なことだが、故人への弔意を示してくださった方々への感謝の気持ちを形にする大切な慣習だ。
この記事では、香典返しにおすすめの品物を定番から人気のギフトまで幅広く紹介する。金額の目安やのしの書き方、避けるべき品物についても解説していくので、品物選びの参考にしてほしい。

香典返しとは
香典返しの意味と目的
香典返しとは、通夜や葬儀で香典をいただいた方へ、忌明け後に贈るお返しのこと。「香典をいただいたお礼」と「無事に忌明けを迎えた報告」を兼ねた意味がある。
香典返しの時期
香典返しは、四十九日法要(忌明け)が終わった後、1ヶ月以内に届くように手配するのが一般的だ。最近は葬儀当日にお返しを渡す「当日返し(即日返し)」を行う地域やケースも増えている。
当日返しの場合は、一律2,000円〜3,000円程度の品物を用意し、高額の香典をいただいた方には後日改めてお返しを贈るのが一般的だ。
香典返しにおすすめの定番品物
香典返しの品物は、あとに残らない「消えもの」を選ぶのが基本マナーだ。不祝儀が長引かないようにという意味合いがある。
お茶・コーヒー
お茶は香典返しの最も伝統的な品物の一つ。日本茶は法要や仏事との関わりも深く、年齢を問わず喜ばれる。
- 緑茶・煎茶:高級な宇治茶や狭山茶のギフトが人気
- コーヒー:スターバックスやUCCなどブランドコーヒーのセットが幅広い層に選びやすい
- 紅茶:ルピシアやトワイニングなどのティーバッグセット
海苔・乾物
海苔は古くから弔事の贈答品として定着している。軽くて日持ちもするため、受け取る側にとっても負担が少ない。
- 味付け海苔:朝食に使える実用的なギフト
- 焼き海苔:上品な印象で目上の方にも適している
- 椎茸・昆布:和の食材ギフトとして根強い人気

お菓子・スイーツ
日持ちするお菓子も香典返しの定番だ。個包装されたものが使い勝手がよい。
- 和菓子:羊羹、おせんべい、最中など落ち着いた印象のもの
- 洋菓子:クッキー、フィナンシェ、バームクーヘンなど
- ゼリー・水菓子:季節の果物を使ったゼリーは上品で好まれる
洗剤・石鹸
「不幸を洗い流す」という意味を込めて、洗剤や石鹸も香典返しの定番品として選ばれている。
- 衣料用洗剤セット:毎日使う実用品として重宝される
- ハンドソープ:おしゃれなブランドのものが人気
- 台所用洗剤:食器用洗剤のギフトセットも定番
タオル
今治タオルなどの高品質タオルは、年齢や性別を問わず使える万能ギフトだ。「悲しみを拭い去る」という意味合いもあり、弔事のお返しにふさわしい。
カタログギフト
相手に好きな品物を選んでもらえるカタログギフトは、近年の香典返しで最も人気が高い選択肢の一つだ。金額帯も幅広く、2,000円台から50,000円台まで対応できるため、いただいた香典の金額に合わせて選びやすい。
多くの方にまとめてお返しを送る場合も、カタログギフトなら個々の好みを気にする必要がなく便利だ。
香典返しは多数の方に贈ることが多いため、個別に品物を選ぶのが大変な場合はカタログギフトが重宝する。
香典返しで避けるべき品物
- 肉・魚:仏教では殺生を連想させるため不向き(ただし地域差あり)
- お酒:慶事を連想させるため避けるのが一般的
- 鮮やかな色のもの:お祝い事を連想させるパッケージは避ける
- 商品券・ギフトカード:金額が分かるため避けるのが無難(ただし最近は許容される傾向も)
- 鰹節:慶事の縁起物であるため弔事には不向き
金額別のおすすめ組み合わせ
2,500円前後(香典5,000円へのお返し)
- 煎茶+海苔の詰め合わせ
- 焼き菓子の中サイズ詰め合わせ
- ハンドタオル+ハンドソープセット
5,000円前後(香典10,000円へのお返し)
- カタログギフト(3,000円〜5,000円コース)
- 今治タオルセット+お茶
- ブランド洗剤ギフトセット
10,000円以上(香典30,000円以上へのお返し)
- カタログギフト(10,000円コース)
- 高級タオル+高級和菓子セット

香典返しの相場
基本は半返し
香典返しの金額は、いただいた香典の半額程度を返す「半返し」が基本だ。香典5,000円なら2,500円程度、香典10,000円なら5,000円程度のお返しを目安にしよう。
高額の香典へのお返し
親族からの高額な香典(30,000円〜100,000円)に対しては、半返しにこだわる必要はない。3分の1〜4分の1程度のお返しが一般的で、残りは「故人への弔意として感謝して受け取る」という考え方が主流だ。
香典返しののし(掛け紙)
- 水引:黒白または黄白の結び切り(地域によって異なる)
- 表書き:「志」(宗教を問わず使える)または「満中陰志」(関西地方で多い)
- 名前:喪主の苗字
Q&Aコーナー|香典返しの品物選びの疑問
Q. 当日返し(即日返し)と忌明け返しの品物は同じでいい?
A. 当日返しは一律2,000円〜3,000円程度の品物が一般的だ。高額の香典をいただいた場合は、当日返しの分を差し引いた金額で忌明け後に追加のお返しを贈る。
Q. 香典返しにカタログギフトは失礼?
A. カタログギフトは失礼にはあたらない。むしろ相手に選ぶ楽しみを提供できるため、近年は人気が高い。年配の方が受け取る場合は、使い方がわかりやすいものを選ぼう。
Q. 香典返しを辞退された場合はどうする?
A. 「お返しは不要です」と辞退された場合でも、お礼状だけは送るのがマナーだ。完全に何もしないのは避け、感謝の気持ちを言葉にして伝えよう。
品物選びに迷ったら、大丸松坂屋のギフトガイドやリンベルの香典返し特集も参考になる。

香典返しを手配する際の実務的なポイント
リストの作成
香典返しを効率的に手配するためには、まず香典帳をもとに贈り先のリストを作成しよう。以下の情報を整理しておくとスムーズだ。
- 贈り先の氏名・住所
- いただいた香典の金額
- 当日返し済みかどうか
- 追加返しが必要な金額
- 贈る品物と金額
百貨店・ギフト専門店に相談する
香典返しの品物選びや手配に慣れていない場合は、百貨店やギフト専門店に相談するのがおすすめだ。三越伊勢丹、高島屋、大丸松坂屋などの百貨店には弔事ギフトの専門スタッフがいるため、マナーや品物選びのアドバイスをもらえる。
また、シャディやリンベルなどのギフト専門店はのし印刷・挨拶状作成・全国配送を一括で対応してくれるため、大量の香典返しを効率的に手配したい場合に便利だ。



送り先への配慮
- 配送日は受け取りやすい日時を指定する
- 不在がちな方にはヤマト運輸の置き配やコンビニ受け取りを検討
- 生ものや要冷蔵の品物は避ける(受け取りのタイミングがずれると困る)
- 重い品物は避ける(受け取る側の負担になる)
香典返しの挨拶状の書き方
挨拶状に含める内容
香典返しに添える挨拶状には、以下の要素を盛り込もう。
- 葬儀・通夜への参列やお心遣いへのお礼
- 忌明けの報告(「おかげをもちまして 四十九日の法要を滞りなく済ませました」等)
- 生前の故人へのご厚誼へのお礼
- 品物を贈る旨
- 略儀ながら書面でのご挨拶とする旨
挨拶状の注意点
弔事の挨拶状では、句読点(。、)を使わないのが正式なマナーとされている。文の区切りはスペースや改行で表現する。また、「重ね重ね」「再び」「くれぐれも」など重ね言葉は避ける。
挨拶状のテンプレートは葬儀社やギフトショップで用意してもらえることが多い。自分で書く場合は、上記のポイントを意識しよう。
年代別・贈る相手別の品物選びのコツ
年配の方への香典返し
60代以上の方への香典返しは、落ち着いた印象の和の品物が好まれる傾向がある。緑茶や煎茶のギフト、和菓子の詰め合わせ、海苔のギフトセットなどが喜ばれる。カタログギフトを贈る場合は、写真が大きく見やすいデザインのものを選ぼう。
若い世代への香典返し
20〜40代の方へは、おしゃれなパッケージのスイーツやブランドのコーヒーギフト、今治タオルなどが人気だ。カタログギフトはグルメ系や体験型のものが喜ばれる傾向にある。
ご家族がいる方への香典返し
お子さんのいるご家庭には、家族みんなで楽しめるお菓子の詰め合わせやジュースセットが好まれる。大容量で分けやすい品物を選ぶとよいだろう。


香典返しの準備スケジュール
香典返しの準備は忌明け前から計画的に進めることが大切だ。以下のスケジュールを参考にしよう。
葬儀直後〜2週間
- 香典帳を整理し、贈り先リストを作成する
- 当日返しの分で足りない追加返しが必要な方をピックアップする
- おおよその予算を計算する
忌明けの2〜3週間前
- 品物を選んで注文する
- のし紙と挨拶状の内容を確定する
- 配送先の住所を最終確認する
忌明け直後
- 品物の発送を手配する(忌明け後1ヶ月以内に届くように)
- 発送完了後、リストにチェックを入れて漏れがないか確認する
葬儀直後は精神的にも大変な時期だが、香典帳の整理だけでも早めに済ませておくと後が楽になる。
まとめ
香典返しの品物は、お茶・海苔・お菓子・洗剤・タオル・カタログギフトが定番だ。「消えてなくなるもの」を基本に、いただいた香典の半額程度を目安に品物を選ぼう。
品物選びに正解はないが、相手への感謝の気持ちを込めて丁寧に選ぶことが何より大切だ。この記事を参考に、故人の代わりに心を込めたお返しを届けてほしい。



